2015年7月26日日曜日

[2015 1st Half まとめ]邦楽編 その2






上半期まとめ、邦楽編。
めちゃ重くなったので「邦楽編その1」からの続きです。
まずはBEST ALBUM & BEST TRACKのリストを再掲。


BEST ALBUM (1st Half)
1.Giorgio Moroder / Deja Vu
2.Nate Ruess / Grand Romantic
3.Only Real / Jerk At the End of the Line
4.でんぱ組.inc / WWDD
5.the peggies / PPEP1
6.仮谷せいら / Nobi Nobi No Style
7.The Go!Team / The Scene Between
8.never young beach / YASHINOKI HOUSE
9.魔法少女になり隊 / 冒険の書1
10.(((さらうんど))) / See You,Blue 

 (次点/順不同)
Awesome City Club / Awesome City Tracks 
Clammbon / triology 
Mark Ronson / Uptown Special 
Negicco / Rice & Snow 
Ogre You Asshole / Workshop 
大森靖子&THEピンクトカレフ / トカレフ 
パルプンテ / プリミティブ 
吉田ヨウヘイgroup / paradise lost,it begins



BEST TRACK (1st Half) 
1.Shiggy Jr. / サマータイムラブ
2.大森靖子 / マジックミラー
3.Rihanna,Kanye West,Paul McCartney / FourFiveSeconds
4.Lo-Fi Fnk / Nightclub Nirvana
 5.おやすみホログラム&Have A Nice Day! / エメラルド
6.Maya Vik / Y.M.D.
7.水曜日のカンパネラ / ナポレオン
8.the peggies / JAM
9.ふぇのたす / 今夜がおわらない
10.でんぱ組.inc / ギダギダda ズバズバda
11.清竜人25 / Mr.PLAYBOY…♡
12.吉田一郎不可触世界 / 暗渠
13.Nate Ruess / Nothing Without Love
14.Tuxedo / Do It
15.John Gastro / 1995
16.DJみそしるとMCごはん / あんかけ炊炒飯 feat.夢眠ねむ
17.Sugar's Campaign / ホリデイ
18.吉田ヨウヘイgroup / ユー・エフ・オー
19.BOMI / 月曜のメランコリー
20.Toro Y Moi / Empty Nesters




マキシマム・ザ・ホルモン以降の自由奔放なミクスチャー

というテーマにのっとって、2組をレコメン。



まずは上半期BEST ALBUMにも9位にセレクトした魔法少女になり隊
昨年のROCK IN JAPAN FESにオーディション新人枠で出場し、今年は正規出演。
はっきりと「商業目的」と宣言するその音楽性はRPGの世界観を軸にしながらも何でもあり。
アイドル・ポップ×ホルモン的ミクスチャー・ロック×マジカルななにか inファンタジーRPGワールド。
ユーロビートにチップチューンなどのエッセンスも放り込み、今まで見た事がない世界を見せてくれます。
詳しくはFox&Kittenのレコメン記事を読んでいただければ!


そしてもう一組。
7/15にメジャー1stフルアルバムをリリースしたヒステリックパニック
2012年に名古屋で結成。NEXTホルモン最右翼のミクスチャーロックバンド。
ハイトーン&デス声を使い分け、自由奔放な日本語での言葉遊びで耳に残るぶっ飛んだ楽曲を披露。
メンバー5人中3人がでんぱヲタだし「でんでんぱっしょん」カバーしてる・・・。親近感!





2015年上半期のJ-POPシーンを俯瞰してみる

そんでもって、ここでオリコンランキングに切り込みます。
オリコンアルバムシングルランキングを参照に気になるところをピックアップ。

参照記事:【上半期ランキング】音楽シーンをけん引する三大勢力の内部に変化 
アルバムランキングを観てみる限り、上位にジャニーズが来てないですね。
1位はサザンかと思ったけど三代目J Soul Brothers。もはや人気はEXILEを超えてます。



シングルをリリースする度に売上&ライヴ動員が激増していき、紅白初出演を経て、
最高のタイミングでリリースされた、SEKAI NO OWARIのアルバム「Tree」。
「ドラゲナイ」はネタ化しましたが、良くも悪くも「世間一般への認知」に貢献しました。
バンドスタイルに背を向けて、ファンタジー的世界にファンを導いた・・・というストーリーも面白いのだけど、
一番すごいと感じてるのは「老若男女」に向けてのアプローチを成功させたところ。
小学生が男女問わず「セカオワが〜」と話題に出してるかと思いきや、
40代くらいの方もCDを手に取っているようですし、幅広いファン層を獲得。


・・・と思いきや、今月末に出る新曲が既存ファンを置き去りにするダークなヒップホップで面白かった。
もっとポップにすることもできたろうに、ここに来てコレ。これは実写版「進撃の巨人」主題歌。
 

ロック勢だとB'zミスチルはまあ置いといて、11位にONE OK ROCK
映画「るろうに剣心」とのうまい相乗効果もありましたけど、本当に勢いある。
フジロックで観てきましたが、圧巻でした。売れるわけがよーく分かった。
ジャニーズ辞めてから、在籍時より大きな人気を獲得している人は初めてなんじゃないでしょうか・・・。
9月にはWarnerから海外でのリリースも予定されているみたいです。日本を制した彼らの世界戦略にも注目。



10年ぶりのサザンオールスターズのアルバム「葡萄」。
やっぱりサザンはすごい!と思わせるさすがの仕上がり。次は何年後・・・?
この曲は2020年東京オリンピックでCMに再度起用、なんてありえそうだよなあ。



変化するリリース形態について。
AKBグループの握手券商法は功罪あれど、日本の音楽業界の延命には大きな役割を果たしています。
EXILE一族もアルバムは5形態くらいリリースしてますし(しかも限定仕様は高額!)、ジャニーズも同様。
あわせて、出来る限りひとりのお客さんに何枚も買ってもらおうという戦略も透けて見えます。

時に批判もされるこういった商法と、今まで縁が無かったようなアーティストも、
否応なしにこれまでのスタイルでは利益を産み出せないと販売手法を変えてきてます。
Mr.Childrenはアルバム「REFLECTION」でUSB付き限定盤という新しいリリース形態に取り組み、
B'zもアルバム「EPIC DAY」でDVD付き/グッズ付き/CDのみの3形態リリースに踏み切ってます。
ミスチルはUSBにアルバムの「完全盤」全23曲を収録というスタイル。
他に14曲入りの「厳選盤」も出しましたが、USB付は9000円くらいでめちゃ高い。
超高額にも関わらず、大量にいるコアファンには普通に売れるという結果に。
このスタイルは今後、どこかのアーティストが模倣するのか? 気になる・・・。

シングルランキングは相変わらずの状態ですね。
AKBグループとEXILE一族とジャニーズがひしめきあう、ここ数年の構図そのまんま。
15位にようやくBUMP OF CHICKENが登場。これでは「みんなのうた」は生まれにくいよな。
仮面女子が25位でびっくりした・・・。あれ13万枚も売ったのか。


最後に、J-POPど真ん中なんだけど、この人のクオリティに注目。西野カナ
↓は今年リリースの最新シングル。


僕はデビュー当時の西野カナ(良い塩梅のエレクトロ・ポップでした)がすごくお気に入りだったのですが、
最近また「やっぱりいいんじゃないの?」なんて思っております。
一時期「震える人」「震えすぎ」とネタにもされておりましたが、どうやら震えは止まった模様。
アルバム「With LOVE」をAWAでもLINE MUSICでも良いのでチェックしてみてくださいな。
音楽シーンのトレンドを絶妙なバランスでブレンドする作家陣の仕事が素晴らしい。
メロウでセンチメンタル、ハイクオリティな楽曲が詰まってます。西野カナの声質も好き。




2015年上半期のアイドル・シーン

最後です。
アイドル・シーンをさらっと眺めてみます。
2015年上半期もAKBグループが最大勢力というのは微塵も変わらず。
NMB48SKE48はもとより、HKT48や"公式ライバル" 乃木坂46も、
順調にファン層を拡大しているなあという印象。特に乃木坂の勢いは凄い。
対抗馬として、ももいろクローバーZを筆頭に、私立恵比寿中学チームしゃちほこ
なんかのスターダスト一派がタイマン張るかと思いきや少し失速気味かも。
第3勢力はモーニング娘。のハロプロだけど、ここは堅調だし商売が上手い。
そして独自の存在感を放ち、公演規模もセールスも上昇してるBABYMETALでんぱ組.incが続く。
9nineベイビーレイズなども武道館公演を成功させており、世間的な認知はともかく人気は拡大中。
さらにタワレコのアイドルレーベル・T-Palette Records所属のアイドルグループ、
lyrical schoolバニラビーンズアップアップガールズ(仮)がライブハウス・レベルで活躍。
TパレからはNegiccoがホールクラスの公演も成功させ、一歩抜け出した。
そしてゆるめるモ!BELLRING少女ハートらも着実にファンベースを築き成長中。
地下には次のスターを夢見るアイドルたちがたくさん。乱暴だけどこんな構図だろうか。


まずは2015年上半期のでんぱ組.incから振り返ります。
好きなものから先に食べる主義です。

まずはでんぱ史上最大規模のワンマン・2月の代々木第一体育館公演で20000人動員。
さらにその1週間後のアルバム「WWDD」リリースとそれに伴うホールツアー。
3月にはビレバン限定シングル「超絶☆ウルトラHappyDays/ギダギダdaズバズバda」リリース。
「ギダギダ〜」は上半期BEST TRACKでも10位にもってきた。
この曲はスチャダラやTokyo No.1 SOUL SETのメンバーが絡んでて今までにない横ノリ。
僕がオザケンやBeastieのカヴァーに反応したみたいに、良いきっかけになると思うんだよな。


4月には中川翔子とのコラボユニット「しょこたん♡でんぱ組」名義でシングルリリース。
完全にでんぱの7人目のメンバーと化したしょこたん。めっちゃ仲良くなってます。


5月には代々木公演の模様を収めたDVD/Blu-Rayリリース。(初めてBlu-Ray出した)
6月には初のMステ出演も実現したシングル「おつかれサマー!」リリース。オリコン3位。


さらに個人活動として、夢眠ねむ・相沢梨沙の料理本発売、
古川未鈴の「おはスタ」レギュラー、成瀬瑛美の漫画紹介冠番組(フジテレビオンデマンド)、
ビジュアルアーティストブック「DEMPA la mode」発売。
初の地上派でんぱ冠番組「でんぱジャック」(フジテレビ深夜 / 3月終了)


5分間のTVドラマ「でんぱコネクションフレンチ」(TVK / 6月終了)
さらに世界7カ国ワールドツアーがスタート、石垣島でのファンイベントや、
7月からは対バンツアー「かがやきツアー」スタート&各夏フェス出演。
8月にはWWDDツアーのDVD/Blu-Rayリリース、9月にニューシングル&ワールドツアーファイナル。
あ、キリンメッツのCMもありました。
ねむきゅんはDJみそしるとMCごはんのアルバムにもラップ(!!)で客演。


合間合間に各自のラジオ番組やらなんやら、生誕イベントやらに出演・・・・
 (上記を何も調べないですらすらと書き連ねた自分に苦笑いしてる。)

・・・・というように、でんぱの活動の肝は矢継ぎ早に発信される情報量の多さ
ファンも全てを把握しきれていません。たぶんもっとあった。なんか足りない。
他んちをじっくり見てるわけではないのですが、さらっと比較しても尋常じゃないと思う。
メンバーのtwitter見てても、オフっぽさあふれるツイートがめったにない・・・。
忙しすぎて全員10代だったら潰れちゃうかも。大人組.incだからこそ出来てるのかもな。

今後はもっかいアリーナ公演(横浜アリーナがいいな)を実現させて欲しい!っていうのと、
2回目の日本武道館!ていうのもエモくていいなと思う。
9月のワールドツアーファイナル @ 河口湖でなんらか発表されるでしょう。

昨年の日本武道館公演を経て、とにかくファンが増えた。しかも女の子(10代)の割合の多さ。
実は一番女子ファンが多い女性アイドルグループなんじゃないか?とすら感じます。
ライヴで感じる感覚では7:3、もしくは6:4に近いくらいかも。



日本はもちろんのこと、海外でも凄い勢いのBABYMETAL
衝撃的なレディングフェス出演決定。海外メタル雑誌「Metal Hammer」の表紙も飾った。
海外のメタラーも賛否両論で大混乱を起こしてるのも面白い。
音源リリースのペースは抑えて、ライヴ中心で活動してるのも正しいと思う。
あとは、果たしていつまで出来るのか?ということが気になる。
10年のスパンで続けるものではないように思えるのだけど、所属事務所があのアミューズ。
Perfumeという良い前例があるので、うまく持っていきそうな気がしないでもない。




失速気味かも・・・と冒頭で触れたももいろクローバーZ
相変わらずライヴの動員は凄いみたいだし、KISSとのコラボ盤や映画主演で話題を振りまきましたが、
個人的な意見としては、2012年頃のムーヴメントからだいぶ経過して、わくわく感がないんだよなあ。
「女版SMAP」を目指すももクロはそう簡単に崩れなさそうですけど、
2年半近くリリースしてないアルバムの仕上がり具合で流れが変わるような気がしてる。
 

むしろ妹分の私立恵比寿中学チームしゃちほこに勢いを感じるなあ。



AKBグループは聴きませんが、乃木坂46だけは良いと思った。
ルックスのクオリティはもとより、曲が良い。「君の名は希望」なんてすごくエモい。




横浜アリーナでの解散から1年が経ったBiS周辺もまだまだ騒がしい。
解散時のメンバー6人も、LUI FRONTiC赤羽JAPANBILLIE IDLEPOPmaison book girlなど、
それぞれの活動を開始。と思いきやBiSを手掛けた運営がBiSHなる新グループを立ち上げて、
初音源もリリースしてます。新生クソアイドル・・・とは・・・・!
やってることは変わんないですね。同じことを繰り返してもなあ、としか・・・。


ex.BiSの面々で一番面白い活動をしてるなあって思うのが、唯一ソロに転じたテンテンコ
やりたいこと突き詰めたDIY&アンダーグラウンド感ある活動を展開。
自主企画ブタゴリラを主宰したり、禁断の多数決狐火の新曲にヴォーカルとして客演したり。
80'sど真ん中でちょいチープでEspeciaみたいなこの曲も好み。
 


BiSのファン、通称「研究員」が多数流れているおやすみホログラム
往時のBiSを想起させる真の意味での地下っぽい活動を展開中。
5人での結成から1週間で2名解雇、1名も即休養であっちゅうまに2名体制に、
というエピソードも、ブラックか?とは思いつつ地下っぽいインパクト抜群。
ロックバンドHave A Nice day!とコラボした「エメラルド」が珠玉の出来映え。



ゆるめるモ!は赤坂BLITZ公演を成功させ、年末にはZepp東京公演が決まるなど、順調。
メンバーのお休み・脱退が多いのが気になりますが(そろそろ固めて欲しい)、
センス良くコラボ相手を選び、そしてリリースする楽曲のクオリティの高さは群を抜いてます。
次に抜け出すんじゃないかな、抜け出して欲しいなあと思ってるのは、やっぱりゆるめるモ!です。
昨年12/31にリリースした「眠たいCITY vs 読書日記」ではnhhmbaseのマモルとコラボ。
3月のシングル「Hamidasumo!」ではPOLYSICSハヤシと組み、8月に出すEPではミドリカワ書房とタッグ。



話題のLADYBABYも完全な色モノですがおもろい。
ゴツい身体にヒゲ、という女装パフォーマーでありデスボイスを駆使するLadybeard
そしてミスiD出身の美少女2人(金子理江/黒宮れい)が加わったユニット。
「日本のお土産ソング」である「ニッポン饅頭」がyoutubeにて公開されると、7日間で220万再生を記録。
サウンド・プロデュースは「夏の魔物」主宰の成田大致
作詞・只野菜摘(ももクロ/でんぱ/プリキュア)、作曲・浅野尚志(でんぱ/チームしゃちほこ)、
ギターにROLLY、キーボードにハジメタル(ex.ミドリ)、MV監督は二宮ユーキ(大森靖子のライヴ映像担当)。



最後に取り上げたいのは清竜人25
ここらへんの記事に詳しいのですが、天才的シンガーソングライターである清竜人が、
「アイドル6人全員俺の嫁」という妄想を具現化してしまったアイドル・プロジェクトにして、
その迸る才気が四方八方に爆裂する革命的エンタテインメント。ただのネタモンじゃないんです。
9/2には1stアルバム「PROPOSE」もリリース。
個人的には今年後半の最大の目玉。絶対やばい事になってると思う。




以上!
2015年下半期もGood Musicとの出逢いに期待。